「紙図面が多すぎて探すのが面倒」「大きな図面のコピーが大変」「図面の電子化は自社で取り組むべき?」このような問題を抱えている企業は少なくないはずです。
ポイントを押さえて紙図面の整理・管理をすれば、探す手間や時間の短縮や良い状態で保管できます。また、図面の電子化は保管スペースの削減や管理のしやすさ以外にもさまざまなメリットがあります。
ここでは、紙図面の最適な整理・管理方法と図面を電子化するメリットについてご紹介します。現在、図面の整理・管理問題に直面している企業様は、ぜひ今後の参考にしてください。
紙図面を最適に整理・管理するためのポイントは以下の通りです。
図面が必要なときにすぐに見つけられるように、わかりやすく整理しておくことが重要です。顧客名と日付などの情報が一目でわかるように表示して、ファイルしておくと見つけやすくなります。
また、図面を見つけやすくするためには、書類棚にファイルを並べる順番も重要です。
日付順もしくは顧客名の五十音順に整理して書類棚に保管しておくと、図面が見つけやすくなります。
図面サイズがばらばらだと保管しづらくなるため、サイズを揃えて保管しておくことが大切です。図面はすべて同サイズの用紙を使うということではなく、保管するときに折りたたみ同サイズに揃えて保管しておくという意味です。
そのためには、図面サイズにB列サイズを使用せずにA列サイズに統一することをおすすめします。例えばA1サイズの図面は、一度折りたためばA2サイズに、2回折りたためばA3サイズになります。このように図面サイズをA列に統一しておけば、折りたたむことですべての図面を一定のサイズにして保管することが可能です。
紙図面は経年劣化して、黄ばんだり紙がもろくなって破れやすくなったりします。そのため劣化対策として、図面の保管場所の光・温度・湿度管理が大切です。
紙に太陽の光や蛍光灯の光が当たると、変色しやすくなるだけではなく、乾燥して劣化が進んでしまいます。そのため、保管場所には太陽の光が入らないように注意して、普段は蛍光灯を切っておきましょう。
紙の保存に最適な温度は20℃前後、湿度は60%前後といわれています。高温になると紙は劣化しやすくなり、湿度が高くなるとカビが生えやすくなります。そのため、保管場所は空調で温度20℃前後、湿度60%前後に維持しておくことが理想的です。
紙図面を空調設備が整っていない場所に保管する場合は、図面をビニールに入れて密閉保管したり乾燥剤や除湿剤、防虫剤を使用したりするなどの対策をすることをおすすめします。
紙図面の整理・管理に困っている企業様の悩みを解決するためにおすすめするのが、図面の電子化です。図面の電子化にはさまざまなメリットがあり、直面しているお悩みの解決につながるでしょう。
図面を電子化するメリットは以下の通りです。
図面の電子化は整理・管理の悩みを解決するだけではなく、業務の効率化や経費の削減につながります。
図面を電子化すればデータをサーバーやクラウドに保存できるため、保管スペースがいらなくなります。今まで図面の保管に使われていたスペースが必要なくなることで、他の用途として有効活用したり、賃貸料を削減できたりします。
多くの図面から必要なものを探すためには、手間と時間がかかります。図面を電子化して体系的に管理できるシステムを導入すれば、すぐに必要な図面データを見つけることが可能です。
建築士法により図面の保存義務が規定されていますが、紙媒体だけではなく電子保存も認められています。法改正で保存義務期間が延長された場合でも、図面を電子化していたら対応しやすくなります。
図面を電子化しておくと、社内だけではなく取引先とも図面の共有がしやすくなります。紙図面を共有する場合は、複数の図面を用意して送らなければならないため、手間と時間がかかります。しかし、図面を電子化しておけば、メールに図面データを添付したファイルを送るだけで簡単に共有可能です。
紙図面は誰かが持ち出していたら、他の人は閲覧できません。しかし、図面を電子化して共有サーバーに保管しておけば、多くの人が図面を同時に閲覧可能です。また、社外でもスマホやタブレットで図面データを引き出すこともできます。
図面が複数枚必要な場合、紙図面のままだとスキャンに手間がかかってしまいます。しかし、図面を電子化しておけば、PC上で簡単にコピーでき、必要なときに複数の図面をすぐに用意することが可能です。
紙図面は、慎重に保管していても経年劣化を防ぐことは難しいです。しかし、図面を電子化しておけば、劣化を防止して長期間保存できるようになります。
また経年劣化により読み取りにくくなった紙図面も、読み取りやすい状態にデジタル補正して電子化することが可能です。
多くの人が閲覧できる紙図面は、紛失や破損のリスクがあります。どんなに注意していても、図面を間違った場所に戻してしまった、間違ってゴミと捨ててしまった、つまずいた拍子に図面が破けてしまったなどが起こる可能性があるのです。図面を電子化しておけば、紛失・破損のリスクを防げます。
また、データをバックアップして違う場所に保管しておけば、災害時にデータを失う対策もできます。
紙図面で保管していると、管理している人がセキュリティも担当することになります。セキュリティ責任者が部署異動や退職などで後任に引継ぎをしなければいけない場合、しっかりと行われなければセキュリティの弱体化につながってしまいます。
しかし、図面を電子化してデータ管理すれば、閲覧者を限定するためにパスワードを設定したり閲覧履歴を残したりできるので、セキュリティ管理がしやすくなり、セキュリティ強化にもつながります。
図面の電子化を自社で行うのは、コスト面での負担が大きいためおすすめできません。
慣れない作業に従事させる人件費と、図面をスキャンする専用の機器を購入するための費用は大きな負担となります。
そのため、コストのかかる作業は、外部の専門業者に依頼するのがおすすめです。
普段からお付き合いのあるコピーサービス業者が、大判図面専用のスキャン機器を保有している場合は、そちらに相談しても良いでしょう。しかし、専用機器を保有していない場合は、外部の専門業者に依頼することを検討してみてください。
図面の電子化を外部の専門業者に依頼する主なメリットは以下の通りです。
コスト削減
外部の専門業者に依頼すれば、社内の人件費も専用機器購入費も負担することなく、事前打ち合わせだけで図面の電子化が行えます。また、ワンクリックで必要な図面を呼び出すリンクの作成や、不要となった図面の廃棄処理サービスを行ってくれる業者もあります。
短期間での図面の電子化導入
外部の専門業者は、大量の図面を高速でスキャンする機器や短期間で電子化するノウハウを持っています。そのため自社で電子化を行うよりも、短期間で図面の電子化導入が可能です。
図面の状態に合わせた電子化
専門業者の中には、企業側が要求しなくても画像の状態に合わせて必要な調整を行ってくれるところもあります。例えば、経年劣化により読み取りにくくなった図面は、見やすくなるように濃度やコントラストを調整しながら電子化してくれます。
紙図面の最適な整理・管理や図面を電子化するメリット、外部の専門業者へ依頼するメリットなどをご紹介しました。 紙図面を整理・管理するには、図面のファイリングの方法や保管場所の環境を管理することが大切です。図面の電子化は、業務の効率化や経費の削減につながるさまざまなメリットがあります。
図面の電子化でお悩みの企業様は、弊社にお気軽にご相談ください。