古文書から読み解く江戸時代の武士の暮らし

双光エシックス(株)には、古文書を愛する社員がいます。彼は大学で日本史を学び、今では双光エシックス(株)で古文書のスキャニングに従事しています。

今回は、彼が「鸚鵡籠中記(おうむろうちゅうき)」を読み解き、江戸時代の武士・朝日文左衛門重章(あさひぶんざえもんしげあき)の感情がこもった驚きと悲しみのエピソードを教えていただきました。

鸚鵡籠中記とは?

「鸚鵡籠中記」は、延宝二年(1674)から享保三年(1718)にかけて生きた尾張藩士・朝日文左衛門重章が記した日記です。
この古文書を読むことで、江戸時代の武士の暮らしぶりや彼の感情の動きを知ることができます。

驚きの瞬間:家族の成長

ある日の記述には、朝日文左衛門が長男の初めての書道の練習を見守る姿が描かれています。
彼は「今日、長男が初めて筆を握り、その初々しい文字を見た時、心の中で大きな驚きと喜びが湧き上がった。まるで昨日までの赤ん坊が、一人前の武士への第一歩を踏み出したかのように感じた」と記しています。

この瞬間、彼は子供の成長を実感し、その驚きと喜びを胸に刻んでいます。
江戸時代の武士にとって、家族の成長は何よりも大切なものであり、その瞬間を記録に残すことで、その感動を後世に伝えようとしています。

悲しみの瞬間:同僚の死

一方で、彼の日記には深い悲しみの瞬間も記されています。ある同僚が病に倒れ、亡くなった時の記述には、彼の悲しみが強く表れています。
「今日は悲しい日である。長年ともに苦楽を共にした同僚が永遠に旅立ってしまった。彼の最後の姿を見届ける時、心は引き裂かれるような思いだった。彼の笑顔、声、すべてがもう二度と戻ってこないと思うと、涙が止まらなかった」と記されています。

このエピソードは、武士たちの絆の強さを感じさせるとともに、彼が感じた深い悲しみを伝えています。
江戸時代の武士にとって、同僚は家族同然の存在であり、その死は非常に大きな衝撃であったことがわかります。

後世に残したい歴史遺産としての古文書

「鸚鵡籠中記」は、朝日文左衛門重章の驚きや悲しみを通じて、江戸時代の武士の生活を生き生きと伝える貴重な資料です。このような古文書を丹念に読み解くことで、当時の人々の生活や感情を現代に伝えることができます。
双光エシックス(株)では、これらの古文書をスキャニングし、デジタルデータとして保存することで、後世に伝える活動を行っています。

私たちは、古文書を解読する楽しさを感じつつ、その貴重な情報を未来に残すために日々努力しています。
皆さんも、古文書を通じて歴史の一端を感じてみませんか?